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中学数学 · 約8分

二次方程式の解法を式の形から選ぶ

執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:

二次方程式を見るたびに解の公式へ進むと、計算はできても分数や根号が増え、途中の点検が大変になることがあります。逆に、整数で因数分解できるはずだと考え続けて先へ進めない場合もあります。使える方法を知った上で、平方の形、因数分解のしやすさ、係数の大きさを順に見ると、式に合った出発点を選べます。

まず式を整理し、二次の項が残るか確かめる

二次方程式は ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 で aa が0ではない形に整理できる方程式です。かっこを外し、同類項をまとめ、右辺を0にすると、因数分解や解の公式を使う準備ができます。ただし、すでに (x−p)2=q(x-p)^2=q の形なら、それを展開せず平方根を使ったほうが短くなることがあります。元の式をよく見てから整理の仕方を選びます。

両辺を同じ0でない定数で割って係数を小さくしても、解は変わりません。一方、文字を含む式で割ると、その式が0になる解を失う可能性があります。特に全項に xx があるとき、何も考えず xx で割らず、まず xx を因数として外へ出してください。積の一方が0になる場合を残すことが、解の取りこぼしを防ぎます。

積が0なら因数のどちらかが0

因数分解を使う方法では、右辺が0であることが重要です。二つの実数の積が0なら、少なくとも一方が0になります。積が正や負の数の場合に、そのまま各因数を0と置くことはできません。因数分解した後は、二つの一次方程式へ分けて解きます。同じ因数が二つ重なる場合には、異なる解は一つになることもあります。

例題1:因数分解できる形

x2+2x−15=0x^2+2x-15=0 を解く。

  1. 積が −15-15、和が2になる数は5と −3-3。
  2. (x+5)(x−3)=0(x+5)(x-3)=0 より x=−5x=-5 または x=3x=3。
  3. 代入すると 25−10−15=025-10-15=0 と 9+6−15=09+6-15=0。二つとも元の式を満たす。

因数の符号と解の符号は反対になることがあります。(x+5)=0(x+5)=0 の解は負の5で、かっこの数字をそのまま答えるわけではありません。因数分解の行が合っていても、最後に一次方程式を解く段階で符号を取り違えることがあります。解を書いた後に、それぞれどの因数を0にするかを確かめると、その誤りを見つけられます。

平方の形なら正負を分けて戻す

u2=qu^2=q で qq が正なら、uu は正負二つの平方根です。uu が xx そのものとは限らず、かっこで囲まれた式全体の場合もあります。まずそのまとまりの値を求め、それから xx を取り出します。q=0q=0 なら u=0u=0 のみ、qq が負なら実数の範囲では解がありません。根号に正負を付ける理由を、平方根の定義に戻って確認します。

例題2:かっこを一つの量として解く

(x+2)2=13(x+2)^2=13 を解く。

  1. x+2=±13x+2=\pm\sqrt{13} と正負の両方を取る。
  2. 両辺から2を引き、x=−2±13x=-2\pm\sqrt{13}。
  3. どちらの解も x+2x+2 は 13\sqrt{13} または −13-\sqrt{13} になり、その2乗は13。

平方完成は、一次の項を含む二次式を平方の形に作り替える方法です。x2+bxx^2+bx に対して、bb の半分の2乗を加えると平方ができます。方程式では両辺に同じ数を加えます。左辺に必要な数を足したのに右辺を変えないと別の方程式になるので、どこへ何を足したかを一行で残しましょう。

例題3:平方完成して平方根へつなぐ

x2+6x−4=0x^2+6x-4=0 を解く。

  1. 定数を移して x2+6x=4x^2+6x=4。両辺に9を加える。
  2. (x+3)2=13(x+3)^2=13 となるので、x+3=±13x+3=\pm\sqrt{13}。
  3. 解は x=−3±13x=-3\pm\sqrt{13}。式を x2+6x−4=(x+3)2−13x^2+6x-4=(x+3)^2-13 と見ても確認できる。

見つけにくい形は解の公式で処理する

係数 a,b,ca,b,c を使う解の公式は、x=−b±b2−4ac2ax=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} です。aa は0ではなく、実数解を求めるなら根号の中が0以上である必要があります。公式へ入れる前に方程式を標準形にし、各係数を符号付きで書き出します。特に負の bb を入れるときは、−b-b と b2b^2 の二か所でかっこを使うと安全です。

例題4:係数を符号ごと代入する

2x2−4x−3=02x^2-4x-3=0 を解く。

  1. a=2a=2、b=−4b=-4、c=−3c=-3。根号の中は (−4)2−4×2×(−3)=40(-4)^2-4\times 2\times(-3)=40。
  2. x=4±404=4±2104x=\frac{4\pm\sqrt{40}}{4}=\frac{4\pm 2\sqrt{10}}{4}。
  3. 分子の全項と分母を2で割り、x=2±102x=\frac{2\pm\sqrt{10}}{2}。

公式の分母は分子全体に掛かります。分子の一部だけを約分することはできません。例題4では4と根号の項の両方に共通の因数2があるため約分できます。平方完成を使えば (x−1)2=52(x-1)^2=\frac{5}{2} となるので、別の形でも同じ二つの解が得られます。表記が違うだけで、異なる解だと決めつけないことも大切です。

方法選びと検算を一組にする

平方根の前に正負を付けた答えは、二つの値をまとめた記号です。途中の分数で正負の記号を片方の項だけに付け直すと、表す数が変わる場合があります。迷ったときは正の側と負の側を別々に書いて計算してください。また、二つの解の大小を比べる問題では、根号が0以上であることを使って並べます。式の形を整理する作業と、求めた値を選び直す作業を分けると、正負の取りこぼしを点検できます。

式がすでに平方なら平方根、積の形がすぐ見えるなら因数分解、平方を作りやすいなら平方完成、それ以外は公式を候補にします。この順番は絶対の規則ではなく、計算を見通すための目安です。解法が指定された問題ではその指定に従います。速く解けたかだけでなく、途中式を追って根拠を説明できるかを確かめてください。

答えは元の式に戻して確かめます。整数の解なら直接計算し、根号を含む場合は平方の形や解と係数の関係を補助に使えます。文章題では代入で合っていても、長さが負、人数が分数など、状況に合わない値は採用できません。方程式の解と文章題の答えを分けて判断し、最後に条件に合う値を選ぶところまでを解答に含めましょう。

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