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高校数学 · 約8分

因数分解を探す順番と展開による確認

執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:

因数分解で候補を思い付くまで式を眺め続けてしまうときは、見る順番を決めると出発しやすくなります。最初に全項の共通因数、その次に項の数と公式の形、最後に係数の組を見ます。因数分解は和や差を積に直す操作なので、答えを展開すれば元へ戻るはずです。見つける手順と確認する手順を対にしておくと、符号の取り違えも点検できます。

全項に共通する数や文字を先に出す

共通因数は、すべての項に掛かっている部分です。数なら係数の共通の約数、文字なら各項に含まれる文字の共通部分を探します。一部の項にしかない文字を外へ出すと、残りの項が元へ戻りません。共通因数を出した後のかっこの中は、元の各項をその因数で割った式です。最後の項が定数になる場合も、省かず書きます。

例題1:共通因数の後に公式を見る

6x2−246x^2-24 を因数分解する。

  1. 係数6と24の共通因数6を出し、6(x2−4)6(x^2-4)。
  2. かっこの中は平方の差なので、6(x−2)(x+2)6(x-2)(x+2)。
  3. 展開すれば 6(x2−4)=6x2−246(x^2-4)=6x^2-24。外に出した6も答えに残す。

共通因数を出しただけで終わらず、かっこの中がさらに分解できるかも確認します。例題1では項が二つになり、平方の差の公式が見えます。いきなり元の式を大きな数の組で分解しようとするより、係数を小さくしてから形を見るほうが探す候補を減らせます。共通因数を出す操作は準備であると同時に、因数分解そのものの一部です。

先頭の項が負なら、負の共通因数を外へ出して内側の先頭を正にすると読みやすいことがあります。その際は内側の全項の符号が対応しているかを確かめます。外へ出す因数を変えた表し方どうしは同じ値になり得ますが、途中式で外の符号だけを変えてはいけません。一つの項を戻してみる確認が、符号の迷いを減らします。

項の数と平方の形から公式を選ぶ

二項式なら平方の差 A2−B2=(A−B)(A+B)A^2-B^2=(A-B)(A+B) が候補です。平方の和には、この形の公式は使えません。三項式なら、両端が平方で中央がその積の2倍になっているかを見ます。A2+2AB+B2=(A+B)2A^2+2AB+B^2=(A+B)^2 と、その差の形を区別します。両端が平方であるだけでは不十分で、中央の項が合うことまで確かめます。

先頭係数が1の二次式 x2+bx+cx^2+bx+c では、積が cc、和が bb となる二つの数を探します。積が正なら二つは同符号、積が負なら異符号です。正の積で和が負なら、二つとも負になると先に判断できます。候補を見当なく並べるより、積の約数の組を書き、符号と和を点検する順にすると探し忘れを防げます。

例題2:積と和を同時に満たす組

x2−x−20x^2-x-20 を因数分解する。

  1. 積が −20-20 なので異符号の組を探す。和が −1-1 になるのは −5-5 と4。
  2. よって (x−5)(x+4)(x-5)(x+4)。
  3. 展開すると x2+4x−5x−20=x2−x−20x^2+4x-5x-20=x^2-x-20 となる。

例題2で −4-4 と5を選ぶと積は合いますが、和は1になります。定数項だけが一致しても因数分解は完成しません。先頭、中央、定数の三つを元の式と対応させます。整数の組が見つからない場合は、計算違いとは限りません。学校の範囲や問題の指定によって、どの数の範囲で因数分解を考えるかにも違いがあるからです。

高校では一般の二次式をたすき掛けで探す

ここからは高校数学の一般の二次式を扱います。ax2+bx+cax^2+bx+c を (px+q)(rx+s)(px+q)(rx+s) にすると、先頭は prpr、定数は qsqs、中央の係数は ps+qrps+qr です。たすき掛けは、この三条件を表で探す書き方です。数字を斜めにかけて足すのは、展開で生じる二つの一次の項をまとめているからだと理解すると、配置の意味が分かります。

例題3:中央の係数まで確かめる

6x2+7x−36x^2+7x-3 を因数分解する。

  1. 先頭の組を3と2、定数の組を −1-1 と3として、(3x−1)(2x+3)(3x-1)(2x+3) を試す。
  2. 中央の項は 9x−2x=7x9x-2x=7x。先頭は 6x26x^2、定数は −3-3 でそろう。
  3. したがって因数分解は (3x−1)(2x+3)(3x-1)(2x+3)。三つの係数をすべて比較できた。

候補が多い場合は、先頭係数の約数の組と、定数項の約数の組を先に一覧にします。その後で定数側を入れ替えたり符号を選んだりして中央の係数を確認します。同じ候補を何度も試してしまうなら、試した組に印を付けます。共通因数が残っていると候補の数が増えるので、この段階でも最初の点検を忘れないようにしてください。

展開を逆向きの検算として使う

項が四つ以上ある場合は、二項ずつまとめると共通のかっこが現れることがあります。このときも根拠は分配法則の逆です。組み分けた後に同じかっこが本当に出るか、外へ出す数の符号が合うかを確認します。どんな式でも一度で同じ形になるわけではないので、無理に項を消したり数を変更したりせず、元の各項を保ちながらまとめ直してください。たすき掛けの前に、別のまとまり方が使えないかを見る視点にもなります。

答えを展開するときは、因数分解したときの暗算をそのまま繰り返さず、分配法則で各積を書き出します。先頭と定数だけでなく、中央の係数まで一致するかを見ます。外に共通因数がある場合は最後に掛け戻すのを忘れないでください。式の長さが元より短くなったかではなく、すべての項が元と同じになることが検算の基準です。

文字への代入も補助的に使えます。簡単な数を一つ入れて値が違えば、因数分解のどこかが誤っています。ただし一つの値で一致するだけでは、恒等的に同じ式だと示したことにはなりません。最終的には展開による係数の一致を確かめます。特に0だけで調べると定数項しか点検できないので、検算方法が何を見ているかも意識します。

練習を終える際は、正解数と一緒に最初の着眼点を記録します。共通因数を見落としたのか、平方の差を見抜けなかったのか、積と和の符号を取り違えたのかで、次に選ぶ問題を変えます。すべてをたすき掛けで処理しようとせず、短い方法が見える順に点検する習慣を育てると、二次方程式や式の値の計算へもつなげられます。

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