中学数学 · 約8分
面積・体積・表面積の公式を使い分ける
執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:
円柱の問題で半径と高さが分かっても、すぐに数を公式へ入れないでください。聞かれているのが側面積か、表面積か、体積かで使う式は変わります。まず求める部分に印を付け、その量が長さ、面積、体積のどれかを決めます。図にある数字を全部使おうとするより、必要な量を選ぶ作業を先に行うと、似た公式の混同を減らせます。
扇形は円全体に対する割合で考える
半径 、中心角 度の扇形は、円全体の に当たります。弧の長さは円周に、面積は円の面積にその割合をかけます。同じ割合でも、元になる量が円周か面積かで単位が変わります。弧の長さを求める式に半径の2乗を使ったり、面積の式に円周を使ったりしていないかを確認します。
例題1:弧と面積を別々に求める
半径6 cm、中心角120度の扇形の弧の長さと面積を求める。
- 円に対する割合は 。
- 弧の長さは cm。
- 面積は cm²。
扇形の周の長さを聞かれた場合は、弧だけでなく二本の半径も足します。例題1なら弧に12 cmを加えた長さです。「弧」と「周」の違いを図でなぞると、公式以前の読み違いを防げます。また、中心角の数値は度を使う前提です。別の角度の単位を学んだ後でも、公式にどの単位を入れるかを取り違えないようにします。
円柱は底面二つと長方形へ分ける
底面半径 、高さ の円柱の体積は、底面積 に高さをかけたものです。側面は切り開くと長方形になり、横の長さは底面の円周、縦は円柱の高さです。したがって側面積は 。上下をふさいだ円柱の表面積は、これに底面二枚分の面積を加えます。どの面を数えているかを展開図に対応させましょう。
例題2:同じ円柱の二つの量
底面の半径3 cm、高さ8 cmの閉じた円柱の体積と表面積を求める。
- 体積は cm³。
- 側面積は cm²、底面二枚は cm²。
- 表面積は cm²。
円柱の側面の横を直径とする誤りに注意します。側面は円の周りを一周しているので、対応する長さは直径ではなく円周です。直径が与えられた問題では先に半径へ直し、どの公式が半径を使っているかを確認します。円の面積で半径と直径を取り違えると、面積は4倍違ってしまいます。図に半径を書き足すだけでも、その読み違いを防ぐ助けになります。
円錐の高さと母線を分けて使う
円錐の体積は、同じ底面積と高さをもつ円柱の体積の3分の1です。ここで使う高さは頂点から底面へ垂直に下ろした距離です。一方、側面の表面を頂点から底面の円周へたどる長さが母線です。直円錐の側面積には母線を使います。斜めの長さをそのまま高さとして体積へ入れないよう、図の直角の印に注目してください。
例題3:円錐の二種類の長さ
底面半径3 cm、高さ4 cm、母線5 cmの直円錐の体積と表面積を求める。
- 体積は cm³。
- 側面積は cm²。底面は cm²。
- 底面を含む表面積は cm²。
直円錐の側面を開くと扇形になり、その半径は母線、弧の長さは底面の円周です。この対応から、側面積を と求められます。ここで は母線です。扇形の半径を底面半径と混同しないよう、立体図と展開図で同じ部分へ同じ印を付けます。円柱では側面が長方形、円錐では扇形という違いも、公式の丸暗記を補う手掛かりです。
母線が与えられていない場合は、使える条件から求める必要があります。直円錐の半径、高さ、母線は断面の直角三角形に対応しますが、三平方の定理をまだ習っていない段階では、問題で与えられた長さを使うことになります。学習段階を越えて公式を増やす前に、何が与えられ、何が求められているかを整理する習慣を優先してください。
球では半径の2乗と3乗を見分ける
半径 の球の表面積は 、体積は です。係数が似ていますが、半径の何乗かと単位が違います。表面積は外側を覆う量、体積は内部を満たす量と考えます。球の図に直径が示されていたら半分にしてから代入します。半径の値を書いた一行を挟むと、数をどこから得たかを説明できます。
例題4:直径から半径へ直す
直径10 cmの球の表面積と体積を求める。
- 半径は cm。
- 表面積は cm²。
- 体積は cm³。
単位と拡大率で公式の選び違いを調べる
複合図形では、重なりや接している面を先に確認します。体積なら重ならない部分に分けて足せますが、表面積では内部に隠れた接合面は外側の面として数えません。立体を分けたときに現れた切断面を、そのまま元の立体の表面へ足さないようにします。図の外側を指でたどり、何を数える式なのかを言葉で説明してから計算すると、面の数え違いに気付きやすくなります。
答えを書く前に単位を見ます。長さならcm、面積ならcm²、体積ならcm³です。公式に長さを何回かけているかを数えると、求める量に合っているか確認できます。ただし単位が合っていても数値が正しいとは限らないので、面の数え方や使った半径も点検します。円周率を最後まで残す指定なら、途中で3.14へ置き換える必要はありません。
同じ形の立体で、すべての長さを2倍にしたとき、表面積は4倍、体積は8倍になります。式の次数が違うためです。この見当は、表面積なのに高さと半径を三つかけていないか、体積なのに長さが二つしかない式になっていないかを考える助けになります。まず求める部分を選び、次に必要な長さ、最後に単位という順で点検しましょう。
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