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中学数学 · 約8分

連立方程式で加減法と代入法を選ぶコツ

執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:

二つの文字がある式を前にして、最初から両方の値を当てようとすると手が止まります。連立方程式では、一つの文字を消して、すでに解ける一元一次方程式に変えるのが基本方針です。加減法と代入法は、文字を消すための別の道具。問題ごとにどちらかが指定されていなければ、式の見た目から計算を少なくできる道具を選べます。

係数がそろっていれば加減法から見る

加減法は二つの等式の左辺どうし、右辺どうしを加えたり引いたりする方法です。同じ文字の係数が等しければ引き、符号が反対で絶対値が等しければ加えると、その文字を消せます。どちらの文字を消すかを先に決めると、加えるか引くかで迷いにくくなります。式全体を一つのまとまりとして扱うため、引く場合は後ろの式のすべての項の符号に注意します。

例題1:そろった係数をそのまま使う

2x+3y=192x+3y=19、2x−y=72x-y=7 を解く。

  1. 上の式から下の式を引き、4y=124y=12。したがって y=3y=3。
  2. 下の式に戻して 2x−3=72x-3=7 だから 2x=102x=10、x=5x=5。
  3. 両式を確認すると 10+9=1910+9=19、10−3=710-3=7。答えは x=5x=5、y=3y=3。

例題1で引く計算を省略しないなら、左辺は (2x+3y)−(2x−y)(2x+3y)-(2x-y) と書きます。かっこの外のマイナスによって、後ろの −y-y は +y+y になります。ここを 3y−y3y-y としてしまうと、消す文字は合っていても別の式ができてしまいます。答えが分数になったから直すのではなく、二つの式から新しい式を作った行を点検してください。

加減法で一方の値を求めたら、その値を使いやすい元の式へ入れます。上の式に戻ると決める必要はなく、係数や項の数が少ないほうを選べます。両方の文字を消した式だけを残して元の式を消してしまうと、もう一方の値を求めにくくなります。元の二つの式は番号を付けて残しておくと、戻り先と検算の対象がはっきりします。

一つの文字が孤立していれば代入法が短い

代入法は、片方の式が表す文字の値を、もう一方の式の同じ文字に入れる方法です。y=2x+1y=2x+1 のように一つの文字がすでに左に取り出されていれば、その式を直接使えます。代入する先が 3y3y なら、3(2x+1)3(2x+1) とまとまり全体をかけます。文字を長い式に置き換えたときほど、かっこは省略しないほうが安全です。

例題2:取り出された文字を代入する

y=2x+1y=2x+1、3x+y=163x+y=16 を解く。

  1. 二つ目の式の yy を 2x+12x+1 に置き換え、3x+(2x+1)=163x+(2x+1)=16。
  2. 5x+1=165x+1=16 より x=3x=3。一つ目に入れると y=7y=7。
  3. 7=2×3+17=2\times 3+1、3×3+7=163\times 3+7=16 で、両方の条件を満たす。

係数が1や負の1の文字があれば、まだ取り出されていなくても代入法の候補になります。例えば x+2y=9x+2y=9 は x=9−2yx=9-2y に直せます。一方、すべての係数が大きく、文字を取り出すと分数になる式では、加減法のほうが計算量を抑えられる場合があります。どちらでも解けるときは、まず分数を作らずに一つの文字を消せる方法を探すと判断しやすくなります。

係数が違うときは小さい公倍数を作る

加減法で係数がそろっていないときは、片方または両方の式を整数倍します。消す文字の係数の絶対値から最小公倍数を探すと、扱う数を小さくできます。式を倍するときは、左辺の文字の項だけでなく、右辺の数も同じ倍にします。もとの等しさを保つ操作なので、都合のよい項だけを選んで倍することはできません。

例題3:二つの式を倍して消去する

3x+2y=163x+2y=16、2x−3y=22x-3y=2 を解く。

  1. yy を消すため上を3倍、下を2倍し、9x+6y=489x+6y=48、4x−6y=44x-6y=4。
  2. 二式を加えると 13x=5213x=52 なので x=4x=4。上の元の式から 12+2y=1612+2y=16、y=2y=2。
  3. 元の下の式でも 2×4−3×2=22\times 4-3\times 2=2。解は x=4x=4、y=2y=2。

例題3では xx を消すことも可能です。その場合は上を2倍、下を3倍にして係数6をそろえ、引き算をします。消す文字を選ぶ基準は、最小公倍数の大きさだけでなく、符号を含めて自分が扱いやすいかでも構いません。途中で方針を変えて別の倍数の式と混ぜないよう、どの式を何倍したかを左に短く書き添えます。

かっこ、分数、小数が混ざる問題でも、最終的な目標は同じです。まず各式を整数の係数の形へ整理し、その後に消去する文字を選びます。分母を払う数や小数をなくす倍率は、式ごとに違っていて構いません。ただし、一つの式の中では両辺の全項に同じ倍率をかけます。整理前の式も残せば、最後の検算で最初の条件を確認できます。

検算では二つの値を二つの式に戻す

文章題へ進むときは、二つの文字が何を表すかを単位とともに書きます。数量の合計と代金の合計のように、異なる条件から二式を作る場合でも、一つの式の中では同じ種類の量を比べます。解いた後はその意味へ戻り、個数が整数か、長さが正かを調べます。二式の計算が正しいことと、文章の条件を正しく式にしたことは別なので、検算の対象に問題文も含めてください。

求めた組を一方の式に入れただけでは確認が足りません。一つの一次方程式を満たす組は多数あり、たまたま片方だけを満たす誤答もあるためです。左右が等しくなるかを二つの元の式でそれぞれ計算します。両方で一致しなければ、文字の消去、戻し代入、最後の割り算のどこで誤ったかを逆向きに追ってください。

練習では、最初の一手を言葉で残すと方法の選択を振り返れます。「係数が同じなので引く」「すでに取り出された式を使う」「係数を6にそろえる」のように、式の特徴と操作をつなげます。毎回別解を最後まで解く必要はありませんが、解き終えた後に別の消し方も可能かを見ると、方法を暗記しているだけか、式を見て選べているかを確かめられます。

なお、二つの式が同じ関係を表す場合は、組が一つに定まらないことがあります。係数は比例しているのに右辺が対応しなければ、両方を満たす組はありません。計算途中で文字が消えて数だけの等式になったときは、そこで0で割らず、残った等式が成り立つかを確認します。基本問題の手順を使いつつ、いつも一組の解になるという思い込みは避けましょう。

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