中学数学 · 約8分
平方根の計算を整理する4つのルール
執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:
根号が付いている数は、計算が止まっている数ではありません。小数で最後まで書き切れない値でも、根号を使えば正確に表せます。そこで必要になるのが、同じ値を保ったまま扱いやすい形に直す規則です。掛け算の規則、たし算の規則、平方の規則を分けて読むと、根号を見たら中の数字を何でも計算する、という誤りを防ぎやすくなります。
平方根と根号の表す値を区別する
ある正の数の平方根は、2乗してその数になる正負二つの数です。一方、 は が0以上のとき、そのうち0以上の値を表します。例えば9の平方根は3と負の3ですが、 です。方程式の解として正負を付ける場面と、根号そのものの値を求める場面を区別してください。0の平方根は0一つになります。
実数の範囲で根号を扱うこの記事では、根号の中は0以上です。また は常に になるのではなく です。負の数を2乗してから根号を取ると、0以上の値に戻るからです。文字を使う公式では、文字が正と指定されているかを確認します。数だけの問題で慣れた操作も、文字に広げると条件が必要になることがあります。
簡単にするには平方の因数を取り出す
は が0以上で使えます。根号の中に平方数の因数があれば、その部分の平方根を外へ出せます。小さい素数から分解して同じ因数を二つずつ組にすると、平方数を見落としにくくなります。どの平方数で分けても最終的な値は同じですが、大きい平方数を使うと途中の回数を減らせます。
例題1:平方の部分を外に出す
を簡単にする。
- と分ける。
- 。
- 外した6を戻して2乗すると となり、元の根号の中と一致する。
外の係数は平方数そのものではなく、その平方根です。例題1で36をそのまま外へ出すと、値は大きく変わります。逆向きに確かめる際も、係数をそのまま中へ戻さず2乗します。整数の平方に慣れていない場合は、4、9、16、25、36などを書き出して使っても構いません。暗記を急ぐより、なぜその数が外へ出るかを確認しましょう。
乗除では根号の中と係数を分ける
掛け算では外の係数どうし、根号の中どうしをそれぞれかけ、最後に平方の因数を取り出します。割り算では分母が0でないことが前提です。 が0以上、 が正なら が使えます。根号をまとめる前に数を簡単にする方法もあり、分数の約分と組み合わせると扱いやすくなります。
例題2:積を作ってから整理する
を計算する。
- 係数は 、根号は 。
- 。
- 両方が正なので結果も正。2乗した値は になる。
例題3:分母の根号をなくす
の分母を有理化する。
- 分母と分子の両方に をかける。
- 。
- 分母だけにかけると値が変わる。掛けた比 は1なので等しさを保てる。
有理化は数の値を変える操作ではなく、分母に根号がない表し方へ直す操作です。分子と分母に同じ0でない数をかけるという分数の性質を使います。分子にすでに係数や根号があれば、掛けた後で約分できることもあります。先に約分しても後で約分してもよいですが、分子全体と分母全体の共通因数を確かめてから消します。
分母が根号を含む和の場合は、この記事の例題3と同じ数をかけるだけでは根号が残ることがあります。その場合は、和と差の積で平方の差を作る方法を別に学びます。一つの例で成功した操作を、分母の形を見ずに広げないことが大切です。まず単独の根号の有理化を確かめ、その後に複数の項がある形へ進むと違いを整理できます。
加減では同じ根号をもつ項だけまとめる
根号が分子に残っていることは、計算が未完成という意味ではありません。根号の中にさらに取り出せる平方の因数がないか、分数に約分できる共通因数がないかを調べ、問題の指定に合う形ならそこで終えます。小数近似が必要な場合だけ、指定された精度で近似します。途中から小数にすると丸めの影響が混ざるため、正確な値を求める問題では最後まで根号を保ちましょう。
たし算や引き算では、乗法のように根号の中を直接まとめられません。簡単にした後で根号の部分が同じなら、係数を加減します。これは文字式の同類項と同じ考え方です。見た目が違う根号でも、平方の因数を取り出すと同じ形になる場合があるため、まず各項を簡単にし、それからまとめるという順序にします。
例題4:根号をそろえてから加減する
を計算する。
- それぞれ簡単にすると 。
- 係数だけを計算し、。
- 根号の中を引いて にする操作は使えない。
途中式の確認は、どの規則を使ったかを言葉で付けると行いやすくなります。「平方の因数を出す」「同じ数を分子分母にかける」「同じ根号の係数をまとめる」の三つは別の操作です。誤った答えを見て数字を直す前に、最初に使えない規則を選んだ行がないかを探します。根号が増えた、消えたという見た目だけでは判断しないでください。
大きさの確認には近い平方数を使えます。例題1の180は169と196の間なので、その平方根は13と14の間です。得られた もその範囲に入るか概算できます。ただし概算で近いだけでは正確な式が同じだと確定できません。公式に基づく変形を主にし、大きさや符号の確認を添えることで、計算の誤りを別の角度から探しましょう。
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