中学数学 · 約8分
比例・反比例・一次関数のグラフを読む
執筆・監修: Math Gym運営(meervogel.lab)
公開日:
グラフの問題を解く最初の作業は、線の形を眺めることだけではありません。横軸と縦軸が何を表し、一目盛りがいくつかを確かめます。同じ角度に見える直線でも、軸の目盛りが違えば傾きの数値は変わります。点の座標を数で読み、そこから式の条件を作ると、図の見た目に引っ張られにくくなります。
座標は横・縦の順に読み、原点を探す
点の座標 は、横軸方向の値、縦軸方向の値の順です。負の範囲では、原点より左が負の 、下が負の になります。点から各軸へ補助線を下ろすつもりで読むと、二つの数を取り違えにくくなります。目盛りが省略された図や模式図では、示された数値を使い、定規で測った長さをそのまま値にしないようにします。
比例と一次関数のグラフは直線ですが、比例では原点を通るという条件が付きます。反比例は、比例定数が0でないとき二つの枝をもつ曲線になり、座標軸とは交わりません。ただし一部だけを切り取った図では全体の特徴が見えないこともあります。問題に与えられた関数の種類や条件と、読み取った点を合わせて判断するのが基本です。
比例は比、反比例は積で定数を求める
比例は と表されます。 が0でない点が分かれば、 で比例定数を求められます。原点の座標だけでは定数は決まりません。原点を通る直線は多く、もう一つの点によって直線の向きが定まるからです。求めた定数が正なら右上がり、負なら右下がりになるので、符号の確認にもグラフを使えます。
例題1:比例する直線の式
は に比例し、点 を通る。式を求める。
- に座標を入れると 。
- だから 。
- を戻すと 。比例の条件から原点も通る。
反比例は と表され、 は0ではありません。両辺に をかけると となるので、点の二つの座標をかけて定数を求めます。比例のときの割り算をそのまま使わないことがポイントです。積が正なら二つの座標は同符号、積が負なら異符号になるので、枝がどの領域にあるかとも対応します。
例題2:反比例を積から調べる
は に反比例し、点 を通る。 のときの を求める。
- 定数は なので 。
- を代入し、。
- 元の点でも 、新しい点でも 。
表で関係を見る場合も、比例なら を で割った値、反比例なら二つの値の積を調べます。ただし数個の点が一致するだけで、未知の関係全体がその式だと決まるわけではありません。問題で比例・反比例と指定されているのか、与えられた表について候補を判断するのかを区別します。現実の測定値では誤差もあり、式は近似のモデルになる場合があります。
一次関数は変化の割合を先に求める
一次関数は と表されます。比例から出発点を上下へずらした形と見れば、 は変化の割合、 は のときの値だと整理できます。変化の割合は の増加量を の増加量で割ったものです。座標の値そのものを割る比例の手順とは異なり、二つの点の差を使うことを意識してください。
例題3:二点から傾きと切片を決める
二点 、 を通る一次関数の式を求める。
- の増加量は 、 の増加量は 。傾きは 。
- に を入れると で 。
- 式は 。もう一方でも となる。
差を取る順序は、分子と分母でそろえます。例題3を逆向きに計算するなら、 は 、 は です。両方とも負になるので商は同じ3になります。一方だけ逆にすると符号が変わり、傾きを誤ります。二点のうち出発点と到着点を決め、横と縦を同じ向きに読むのが、符号を保つための具体的な手順です。
式を求めた後は点と範囲へ戻る
二つのグラフが交わる点では、同じ横座標に対する縦座標も一致します。そのため二つの式を連立して座標を求められます。図からおおよその位置を見積もってから計算すると、求めた交点の符号や範囲を比べられます。一方、交点が画面に見えないからといって、存在しないとは限りません。図に表示された範囲と、問題で扱う範囲を区別して読み取ります。
読み取った座標が小数や分数になる場合でも、すぐ整数へ丸めないようにします。正確な値が図や条件から得られるなら、その値で差や比を計算します。目測しかできない図では、おおよその値を答える問題なのか、別の条件を使って正確な値を決める問題なのかを確認します。
練習で表を作る際は、原点付近だけでなく負の値も一つ含めると、符号の関係を確認できます。反比例では0を代入できないので、表の0の欄へ勝手に0を書かず、定義されないことを示します。一次関数では横に同じ幅だけ進んだときの縦の差を比べます。表・式・グラフの三つで同じ特徴を説明できれば、図が変わっても関係を読み直す手掛かりになります。
式ができたら、使っていない点があればその座標を代入して確認します。二点を使った場合でも、両方を式に戻せば写し間違いを見つけられます。グラフを描くときは、一点と傾き、または二点から位置を決めます。目盛りの数ではなく値の増加量を使い、描いた線が既知の点と切片を通るかを点検してください。
水量や料金の文章題では、式が同じでも使える の範囲が限られます。水を入れる時間なら負の時間を含めず、容器が満杯になるところでモデルが変わります。個数なら整数だけを考える場合もあります。式を求めることと、状況に合う範囲を決めることを分けて書くと、グラフを無制限に延ばしてよいか判断しやすくなります。
三つの関係を混同するときは、図から離れて短い表を作ってみます。比例では比、反比例では積、一次関数では一定の の増加に対する の増加を確認します。その後で図へ戻り、原点、枝、傾き、切片が数の関係とどうつながるかを説明します。見た目から式を当てる練習に偏らず、数値から図の特徴を説明する練習も組み合わせましょう。
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