式の計算(開発中)
多項式の展開や因数分解など、より高度な式変形を学びます。
単項式と多項式の乗除
- 単項式×2項の多項式:単項式を,かっこの中の2項の両方に掛けます。係数と文字を分けて計算すると,符号と指数を整理しやすくなります。
- 3項の多項式×単項式:単項式が右側にあっても,各項へ分配する方法は同じです。3項のそれぞれに掛けて,文字の順をそろえます。
- 分配法則を使う式の加減:単項式と多項式の積が2つあるときは,それぞれ展開してから同類項をまとめます。後ろの積全体を引く符号がポイントです。
- 整数係数の単項式の逆数:逆数は,元の式と掛けて1になる式です。整数係数の単項式を分母に移します。文字は0でないものとします。
- 分数係数の単項式の逆数:分数係数の逆数では係数の分子と分母を交換し,文字も分母へ移します。元の文字は0でないという条件が必要です。
- 小数係数の単項式の逆数:小数を分数に直してから逆数を作ります。例えば0.5は1/2なので,その逆数の係数は2です。
- 多項式÷正の単項式:多項式を単項式で割るときは,すべての項を同じ単項式で割ります。共通する文字を約分し,商を足します。
- 多項式÷負の単項式:負の単項式で割ると,各項の商の符号が変わります。項ごとに係数と共通文字を約分して求めます。
- 多項式÷分数係数の単項式:分数で割る計算を,逆数を掛ける形に直します。その逆数を多項式の全項に掛けて約分します。
分配法則を使う展開
- 多項式の計算:(ax+b)(cx+d) の形の式を展開する
- 異なる文字を含む2項式の積:(x+a)(y+b)では,4つの積を作ります。xとyが違うので,1次の項は別々に残ります。
- 4文字を含む2項式の積:2つのかっこが異なる4文字を含むときも,分配法則で4個の積を作ります。文字の組が違えば同類項にはなりません。
- 2文字の2項式どうしの展開:(ax+by)(cx+dy)を展開すると,x²・xy・y²の3種類に整理できます。xyを作る積が2つあることがポイントです。
- 2項式と3項式の展開:2項と3項の積は,すべての組を掛けて6個の積を作ります。次数と文字の組を確認して同類項をまとめます。
- 3項式どうしの展開:3項ずつの積では9個の積を作ります。2次・1次・定数の項を分けると,整理の漏れを防げます。
乗法公式
- 多項式の展開:(x + a)(x + b) の形の式を展開する
- 乗法公式(平方):(x + a)^2 の形の式を展開する
- 乗法公式(平方の差):(x + a)(x - a) の形の式を展開する
- 分数を含む積の公式:定数が分数でも,(x+a)(x+b)の公式を使えます。分数の和は通分し,積は分子どうし・分母どうしを掛けます。
- 同じ単項式を含む積の公式:(kx+a)(kx+b)では,kxを1つの量と見て公式を使います。最後に(kx)²と(a+b)kxを整理します。
- 項の順序を変えて使う積の公式:定数が先に書かれていても,項を並べ替えると共通する文字を含む公式の形にできます。符号は項と一緒に動かします。
- 分数を含む平方の公式:分数を含む差の平方は,中央の項を2倍し,分数全体を2乗して計算します。分母も2乗することに注意します。
- 2文字の平方の公式:(ax−by)²では,axとbyをそれぞれ1つの量として2乗します。中央は両方の文字を含むxyの項です。
- 2文字の和と差の積:係数のある2つの単項式でも,和と差の積を使えます。各単項式全体を2乗するため,係数も2乗します。
- 分数係数の和と差の積:分数係数の項も1つの量と見て,和と差の積を使います。分数の係数全体を2乗して引きます。
- 順序をそろえる和と差の積:(b+ka)(ka−b)は,最初のかっこを並べ替えると和と差の積です。共通して正のkaの平方からbの平方を引きます。
公式を組み合わせる展開
- 3項式の平方:3項式の2乗は,各項の平方3個と,異なる2項の積の2倍3個で整理できます。符号を含む3つの組を確かめます。
- 共通部分を置き換える展開:両方の因数に同じ2項式があれば,それを1つの文字に置き換えて公式を使えます。最後に元の式へ戻します。
- 展開した式どうしの加減:公式を使う積が2つあるときは,それぞれ展開してから加減します。後ろの多項式を引く場合は,全部の項の符号を変えます。
- 平方と2項式の積を含む和:平方の公式と分配法則をそれぞれ使い,最後に2つの多項式を足します。交差する項の符号を整理することがポイントです。
- 和と差の平方どうしの積:(x+a)²(x−a)²は,先に(x+a)(x−a)を作ってから2乗すると計算が短くなります。4次式まで整理します。
- 2文字の和と差の平方どうしの積:2文字の和と差の平方を掛けるときは,まず平方の差にまとめます。その平方を展開すると,x⁴・x²y²・y⁴に整理できます。
- 3項式の和と差を見抜く展開:符号が変わる1項と,変わらない2項に分けると,3項式どうしの積を平方の差で処理できます。
- 2次式をまとめて使う平方の差:2次式の一部だけ符号が異なるとき,共通部分をまとめて平方の差を使います。4次の同類項まで整理します。
因数分解
- 因数分解(基本):x^2 + bx + c の形の式を因数分解する
- 因数分解(完全平方):x^2 + 2ax + a^2 の形を (x+a)^2 に因数分解する
- 因数分解(平方の差):x^2 - a^2 の形を (x+a)(x-a) に因数分解する
- 2項の共通因数をくくる:係数の最大公約数と,各項に共通する文字の最小の指数を取り出します。かっこの中は,元の各項を共通因数で割った式です。
- 3項の共通因数をくくる:3項全部に含まれる因数だけを外へ出します。ある2項だけの共通因数を先に選ばないことがポイントです。
- 2文字の完全平方式の因数分解:x²−2kxy+k²y²を,xとkyの差の平方として見ます。yを含む量全体が平方の一方になります。
- 先頭係数のある完全平方式:先頭がx²でなくても,その係数が平方なら完全平方式の公式を使えます。先頭と定数の平方の根元を読み取ります。
- 2文字の平方の差の因数分解:x²−k²y²は,xとkyの平方の差です。両方の因数にyを含めて和と差の積を作ります。
- 両項に係数がある平方の差:数と文字の係数をそれぞれ平方の形で読み取り,2つの単項式の和と差に直します。
- 先頭係数のある2次式の因数分解:先頭の係数と定数項を分け,交差する積の和が中央の係数になる組を探します。1次式2つを実際に展開して確認できます。
- 2文字の2次式の因数分解:a²・ab・b²の式は,aについての2次式と見て,bを含む1次式2つの積に直します。
段階を踏む因数分解
- 共通因数をくくって和と積を使う:先に全項の共通因数を取り出すと,かっこの中に因数分解できる2次式が残ります。2段階の処理を最後まで行います。
- 共通因数をくくって完全平方にする:全項の共通因数を先にくくり,残る完全平方式を2項式の平方にします。元の文字の指数も外と中で分けて保ちます。
- 分数・負号をくくって平方の差にする:共通する分数や負の数も外へ出し,残る平方の差をさらに分解します。負号をくくる場合は全項の符号を変えます。
- 共通因数をくくって1との差を分ける:共通因数をくくった結果が1−b²のとき,1を平方と見てさらに分けられます。定数の1を残すことが大切です。
- 4乗の差を2回因数分解する:x⁴−a⁴はまず2乗の差に分け,さらに残った2乗の差を因数分解します。2乗の和は整数係数の範囲ではそのまま残します。
- 2文字の4乗の差の因数分解:両方が単項式の4乗になっているときも,平方の差を2回使います。係数を含む量全体を1つと見ます。
- 完全平方にまとめて平方の差にする:4項のうち3項が完全平方になる部分を見つけると,全体を平方の差にまとめられます。
- 負の完全平方をまとめる因数分解:マイナスをくくると完全平方になる3項を探します。全体を「単項式の平方−2項式の平方」にします。
- 同じかっこを置き換える因数分解:繰り返す1次式をAと置くと,Aについての2次式になります。因数分解してから,Aを戻して定数をまとめます。
- 2文字の和を置き換える因数分解:a+bのような2文字の式でも,繰り返す部分を1つの量として扱えます。因数分解後に元の2文字を戻します。
- 共通部分と第3の文字を使う因数分解:x+kyを1つの量Aと見れば,A²+pAz+qz²はAとzの2文字の2次式になります。zを両方の因数に残します。
- 置き換えて完全平方にする因数分解:同じかっこをAと置き,完全平方式にしてから元に戻します。最後の答えは整理した1次式の2乗です。
- 4項を組に分ける因数分解:2項ずつくくって,同じかっこを作ります。引く組からは負号も含めてくくると,共通する因数が見つかります。
- 6項を文字ごとにまとめる因数分解:1つの文字に注目して項を組にすると,6項から共通する2項式を見つけられます。残りは3項式の因数になります。
式の計算の利用
- 式の計算の利用:乗法公式を利用した工夫の計算
- きりのよい数を使う平方の計算:2乗する数を,きりのよい数と小さい差に分けます。平方の公式を使うと,大きな数の筆算を減らせます。
- 平方の差を使う数の計算:2数の平方の差は,和と差の積に直します。和や差がきりのよい数になると計算が短くなります。
- 平均の数を使う積の計算:平均から同じだけ離れた2数の積は,平均の平方から差の平方を引くと求まります。
- 大きな平方が消える計算:N²−(N+r)(N−r)では,積を平方の差に直すと大きい平方が消えます。差rの2乗だけが残ります。
- 2組の積の差を工夫する計算:同じ数Nを中心とする2組の積を,それぞれ平方の差に直します。共通するN²が消え,2つの小さい平方の差になります。
式変形を使う式の値
- 先に展開して求める2文字の式の値:分数を代入する前に展開し,相殺される項を整理します。計算する項を減らしてから代入すると,分数計算を簡単にできます。
- 先に因数分解して求める式の値:a+bの共通部分をくくると,長い式を2つの量の積にできます。和がきりのよい数になる条件を使います。
- 和と積から平方の和を求める:x+yとxyだけで,x²+y²を求められます。和を2乗したときに余分に現れる2xyを引きます。